伝統中国医学と女性の体

トーリの蔵書の一つ、アメリカの産婦人科医 Dr. Northrup の代表作『Women’s Bodies Women’s Wisdom』は、900ページ超のペーパーバックです。厚さが5センチほどもあり、製本もよくないようですぐにばらばらになってしまいます。
 
さて、この中に、鍼灸師 Sandra Chiu による”Traditional Chinese Medicine and Menstruation(伝統中国医学と生理)”というコラムがありました。その概略を翻訳してご紹介します。

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伝統中国医学(以下 TCM)を一言で表すとしたら、気血水の流れを促し、改善し、強化するものといえるでしょう。
 
TCMでは、閉塞、あるいは流れが途絶えることがあらゆる病や痛みの本質と考えます(西洋医学では、体内に閉塞を起こすもの=炎症と考えますが、これと似ています)。
 
「寒」は凝固させる力。動きを遅くし、妨げるエネルギーです。水が低温によって、固まり、氷になるのが良い例です。
 
一方、「熱」は動きを促し、流れを開くもの。中国人が、夏でも温かいお茶を飲み、体の中に冷たい物を入れることに慎重なのは、こうした考えによるのでしょう。
 
これを女性の体で考えたらどうなるでしょうか?
 
生理中女性の体は、古い「血」=妊娠しなかった場合の子宮内膜を排出することに集中しています。この流れが遮られることなくスムーズに進むと、生理痛や精神的なイライラなど、苦痛や不快感のない健康的な生理となります。
 
さらに、経血が健康的に淀みなく排出されると、次のサイクルにおいて、新しい健康な「血」=子宮内膜の形成につながります。
 
「寒」が生理の流れを阻害するので、生理中は冷えを避けることでスムーズな排出を促すことができるわけです(この考えで行くと、タンポンもよくないと言えますね)。
 
TCMでは、「寒」の要素が子宮や卵巣などの気血水をうっ滞させ、生理痛・多量の出血・塊・子宮内膜症・子宮筋腫・生理不順・頭痛・PMSの原因になるとみて、その治療は、鍼灸や湯液(漢方薬)を用い、滞った流れを開き、関連する経絡を温めることに集中します。
 
古くから、生理中は、冷たい飲食物を摂らない・寒い場所で長時間過ごさない・水泳(一般的に水温は体温より低いため)はしないように言われてきました。現 代の生活では、お腹を露出する服装、冷たい床を裸足で歩くこと、アイスクリーム、フローズン・スムージー、生ものなどを避けるべきでしょう。
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