慢性的な下腹部痛(慢性骨盤痛):間質性膀胱炎とその治療法

通常、膀胱炎は細菌感染によるものとされ、その治療には抗生物質が処方されます。

 

しかし、間質性膀胱炎は、細菌感染が認められないにもかかわらず、膀胱の間質(上皮と筋肉の間)の慢性炎症によって起こる疾患です。女性に多くみられ、ある調査では、男女比15.6と報告されています。

 

主な症状は、尿意切迫・頻尿・膀胱痛など、QOL(生活の質)の低下を招きます。

原因は明らかでなく、自己免疫疾患やアレルギー疾患とも言われています。

 

「膀胱炎」という名称ですが、感染症ではないので、抗生物質では効果がありません。

 

また、原因不明のため、西洋医学では確立した治療法がなく症状の軽減をはかるために、膀胱水圧拡張術・内服薬・行動療法・食事療法などが行われています。

 

東洋医学では、頻尿・尿意切迫・残尿感・排尿痛など尿路系の症状を、「淋証(りんしょう)」という概念で捉え「湿」「熱」の邪ストレスによる「気」の流れの欝滞などが原因と考えます。「淋証」は、5または7種類に分類され、鍼灸ではそれぞれに応じた経穴(ツボ)の組合せで治療しています。

 

当院の鍼灸施術でも、間質性膀胱炎や過活動膀胱など、尿路系の症状に対して良い結果が出ています。

 

西洋医学では原因不明とされる疾患は少なくありませんが、鍼灸では、個々の症状をはじめ、患者さんの全身状態、心理的側面などを総合的に診て、施術を行います。

 

いろいろな治療を受けたけれど、効果が感じられない、という時は、鍼灸を是非ご検討下さい。



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