●頭皮鍼

▲頭部の経穴 (『経穴マップ』医歯薬出版 より)
▲頭部の経穴 (『経穴マップ』医歯薬出版 より)

頭皮鍼とは?

WHO
標準経穴361穴のうち、頭部の経穴(ツボ)は40余りあります(人によって、頭と顔・首との境界が違います)。

 

頭頂部にある百会(ひゃくえ)は、ご存じの方もおられるかと思います。

頭部の経穴も、他の部分の経穴と同じように、属する経絡やそれぞれの効能によって、古来より、施術に使われてきました。

標準経穴とは別に、1970年代以降、脳機能局在論(=脳、特に、大脳皮質が部分ごとに違う機能を担っているとする説)に基づいて、「足の反射区」や「耳鍼の治療点」のような「頭皮の刺激区域」が考案されました。


中国の焦氏、朱氏、方氏、日本では山元氏など、いろいろな頭鍼の体系があり、脳の疾患をはじめ、様々な病症に対応しています。

80
年代末に、WHOは「頭鍼穴名国際標準化方案」を採択し、国際的な研究や臨床応用のために統一ガイドラインを定めました。

どこに、どのように鍼を刺すの?

▲淺野周 著『頭皮鍼治療のすべて』表紙
▲淺野周 著『頭皮鍼治療のすべて』表紙

1)どこに鍼を刺すの?
これは、点、線、面の3つに大別できます。
・点は、WHO標準経穴(ツボ)、方氏の「記憶穴」など頭皮上の点。
|線は、国際標準頭穴の「額中線」のように一定の長さの線で示されるもの。
□面は朱氏の「額頂帯」のように幅のあるもの。

当院では、点(WHO標準経穴)と線(国際標準頭穴)を使っています。


標準経穴は、ツボ一つ一つの意味と効能が明確で、頭皮以外の経穴との組合せでさまざまな相乗効果があり、応用の幅が広いからです。
長い時間のなかで磨かれてきたものですから、信頼性が高いことは言うまでもありません。
国際標準頭穴は、WHO標準経穴をベースにして定められたものです。この方法による施術も、伝統的な経絡・経穴理論に沿って考えられています。

2)どのように刺すの?
手足などでは、直刺といって、皮膚の表面に対して垂直に鍼を刺す方法が中心です。一方、頭部では、頭皮に沿って鍼を刺す「横刺[おうし]」という方法がメインです。

頭皮鍼① 顔に刺さない美容鍼

施術後のご感想として多いのは、

・顎(あご)のラインがシャープになる

・リフトアップ効果

・肌のくすみが改善する

・目がぱっちりした感じ

・しわ、ほうれい線が薄くなった

 など。


直接顔に刺さなくても、効果が出るようです。頭皮と顔の皮膚は続いていますからね。

頭皮鍼② 眼精疲労や「頭のこり」の改善

当院では、横刺と、短い鍼を浅く刺す方法を併用して、PC作業による肩や首の凝り・痛み、頭痛、眼精疲労などの改善をはかっています。


施術後は「目の疲れがとれた」「視界が明るくなった」「頭がすっきりした」「首から上が軽くなった」「気分爽快」などのご感想をいただいています。


体の鍼+頭皮鍼で、心身のストレス・疲労の解消が期待できます。

頭皮鍼③ 抜け毛・薄毛・円形脱毛症対策として

頭皮の色は、他の部分の皮膚とは異なり、血行の良い、健康な状態の時は青白く、血行不良だと、赤みを帯びてきます。

 

抜け毛、薄毛など髪のトラブルがある人は、頭皮が赤っぽいので、体鍼プラス頭皮鍼をオススメしています。

 

頭部だけの問題と捉えないところが、鍼灸の特徴です。全身の状態が良くなれば、自然に頭皮も髪も元気を取り戻すことができるという考えです。

 

体への鍼灸で体調を整え、さらに、頭皮鍼で頭皮の血流改善をはかります。

 

頭皮に鍼をして、抜いた直後は一瞬ぱあーっと赤みが増しますが、その後すーっと青白く変化します。これは、いつ見ても感動的な美しさです。

 

頭皮の色が良くなると、薄毛や抜け毛などのトラブルが改善します。

 

「特に頭髪には悩みはない」という方も、髪のコシ、艶、立ち上がりなどが目に見えて良くなります。「担当の美容師さんから、“髪の毛が元気になりましたね”と言われました!」とご報告をいただいています。

 

鍼灸は、円形脱毛症にもいい結果を出しています。例えば、30代のMさんは、10円玉大の脱毛が、約1ヶ月半で改善し、元の脱毛箇所が特定できないほどになりました。

 

ステロイド剤などの薬を一切使わず、自分の力で改善すること、そして改善するのは脱毛だけでない、という点が、鍼灸治療をオススメする理由です。

頭皮鍼④ 花粉症・アレルギー性鼻炎にも

花粉症や鼻炎による鼻水・鼻づまりには、ふくらはぎの経穴+頭皮鍼が効果的。で呼吸が楽になります。呼吸が改善すると、睡眠の質が高まります。