●鎗ヶ崎(やりがさき)わんこ通信

・鎗ヶ崎は、taulliのあるヒルズ代官山のすぐ目の前の交差点の名前です。

・日々のできごと、季節の移り変わりなど、感じたこと、思うことを、助手のわんこ(JoshといとこのPeter)がお送りします。

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鎗ヶ崎わんこ通信 2016年9月

2016年9月13日(火)

 ♪~Up on the hill

People never stare

They just don’t care

Chinese music under banyan trees

Here at the dude ranch above the sea

Aja

When all my dime dancin’ is through

I run to you. ~♪

スティーリー・ダンによる1977年リリースの、私にとって「完璧なアルバム」の一つ「Aja」の表題曲は、ジャズの香りに満ちた、8分間にもわたる大作でした。当時は、難解な歌詞も、アドリブのようなジャムセッションも、パリコレのトップモデルとして活躍されていた山口小夜子さんを表紙にした真っ黒な背景に赤と白のラインが刀のように浮かび上がるアルバム・デザインも全てがスタイリッシュに映ったのでした。

彼らがフュージョン系のミュージシャンを集めて作りあげた音にシビレて、ここから私の、ジャズへの傾倒が始まっていったのでした。

▲ひさびさコンサートチケット。
▲ひさびさコンサートチケット。

 つい先日、電車の中吊り広告で、その頃に聞き始めたジャズプレーヤーが多数参加した東京ジャズフェスの宣伝を見て、衝動的にチケットをWEBで求 めて、久しぶりにコンサートに行きました。今年の東京ジャズフェスは、金土日の開催でしたが、日曜日の前半の部に滑り込みました。

 11時 半からの開場で、少し早く着いた中庭では肝っ玉母さんのような(といってもわかるかしら)ショーナ・エイトケン(スコットランド出身)のヴァイオリンを中 心にアコースティックギター2本+ウッドベース(ともに日本の方)とのコラボで、テンポの速いフュージョン系の軽やかな演奏が響いていました。立ち見の聴 衆たちもみな、曲に合わせて上半身をスイングさせていました。

 12時半からAホールでスタートした3つのグループの演奏。まずは、早弾き でエキサイティングなドラミングの石若駿(1992年、北海道出身)とPROJECT67によるオリジナル曲の数々。メンバーの紅一点、寺久保エレナさん (1992年、北海道出身)のアルトサックスも大迫力でした。最後にトランペットの日野皓正(1942年、東京出身)提供の2曲をご本人とのコラボで見せ てくれました。

 2つ目は、渡辺香津美(1953年、東京出身)と沖仁(1974年、長野県出身)によるギターデュオ。彼のオリジナル曲「ユニコーン」を中心に、沖仁のスパニッシュギターが躍動的に絡み合っていました。

  トリは、ボサノヴァといえばこのヒト、セルジオ・メンデス(1941年、ブラジル出身)。カルロス・ジョピンへの敬愛をコメントし演奏を始めた「イパネマ の娘」も嬉しかったけれど、最後の会場を総立ちにさせた彼の代表曲「マシュ・ケ・ナダ」が圧巻でした。「マシュ・ケ・ナダ」とは、サンパウロのスラングで 「まさか」、「なんてこった」などの意味だそうです。

 興奮と立って踊ってクラッピングで少々疲れて会場を後にしたら、渡辺貞夫(1933 年、栃木県出身)が子供たちの太皷バンド「エスコーラ・ジャフロ」とのコラボをやっていました。まさに「マシュ・ケ・ナダ」、「ワ~オォ~!」といった一 日でした。まだ、一杯書きたいことがありますが、続きは次回以降にね。ジャズはライブハウスで身近に感じるものというイメージがあるけれど、大きな小屋で ズンズン体に響いてくるのも、たまにはいいかもと思ったことでした。

 

 ※東京ジャズフェス全3日間のLIVEはNHK-BSで10~11月に放映予定だそうです。楽しみ。皆様もお見逃しなく!